意外と知らないリニア中央新幹線を作る理由

リニア中央新幹線
引退したリニア試験車両(MLX01-2)

こんにちはパンタさんです。

リニア中央新幹線というと静岡問題や2027年の開業が困難というイメージが強いですが、そもそも何のためにリニアを整備するのでしょうか。

JR東海や省庁の資料などから整備目的を調べてみました。

今回の記事は動画の抜粋になります

災害に対するバイパス路線としての役割

震度7を観測した地震

日本が地震大国なのは紹介するまでもないですが、2024年元日に震度7の地震が能登半島で観測されました。

南海トラフ想定震度

巨大震度のリスクとしては太平洋側でも南海トラフ地震の発生が予想されています。
内閣府防災情報の資料を見ると、想定震度の大きい場所を東海道新幹線が通っているのが確認でき、新幹線は海沿いを通ることから津波リスクが高いことも分かります。

考えたくはないですが、地震が発生すれば東海道新幹線の不通は避けられません。

災害時のバイパス路線として整備

そのような災害による東海道新幹線の不通リスクに備えて、内陸側にリニア中央新幹線の整備が決まりました。

東海道新幹線の経年劣化

JR東海枇杷島駅から東海道新幹線高架橋を望む

東海道新幹線は2024年で開業60年になる路線で、設備の老朽化について更新を検討する時期が来ています。

鋼板巻き立て工法

東海道新幹線の高架橋は、強度確保のため支柱に鉄板を巻くなどの対策を実施していますが、これは応急的な措置で内部鉄筋の劣化を補修するものではありません。

JR東海は下記資料で大規模改修工事をしても構造物の取り替えは必要になるとしています。
超電導リニアによる中央新幹線の実現について

高架橋取替工事イメージ(実際の作業とは異なる)

取替え工事は営業線全ての鋼橋(約1500連)で行う計画で、コンクリート橋やトンネル区間の改修工事も含めると長期間の部分運休や徐行運転を行う必要があり、新幹線の通常運行が困難になります。

しかしリニア中央新幹線があればバイパス路線として東海道新幹線の機能を一部移すことができ、利用者の負担を軽減できることからリニアの整備が決まりました。

時間短縮効果

リニア整備後の到達時間

リニア中央新幹線は営業速度500キロでの運行を予定しており、現在東海道新幹線で1時間40分かかる東京ー名古屋間の移動時間が40分まで短縮されます。

リニア整備による名古屋起点の到達範囲

この時間短縮効果は2時間圏内の到達範囲を格段に増やし、リニア途中駅の岐阜県駅や長野県駅、山梨県駅などの利便性は格段に向上、立地の安さを理由に企業や住民の移転や移住先としての機会が増えます。

スーパーメガリージョン

さらにリニアを大阪まで伸ばすことで、日本の約6割のGDPを生み出す首都圏・中部圏・関西圏が合体。人口約6500万人の巨大経済圏、スーパーメガリージョンが誕生し日本経済の活性化が期待できます。

以上簡単にリニア中央新幹線の整備理由を投稿してみました。
動画版ではもう少し詳しく紹介しています!

興味のある方のみ是非ご覧ください!

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